【個展】ハナイ・チエ個展|中和ギャラリー(日本橋) 12.2(火)〜12.7(日)

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2025/11/24 16:41

『 命/宇宙 』


これが、金属の線に見えるでしょうか。
技術とアートが溶けあうとき、あなたの心には、どんな輝きが生まれるでしょう。
ここに見えるのは、過去でしょうか、今でしょうか、それとも未来?
なんでもいいのです。
あなたの中に、なにかが静かに反応し、輝いたなら——
それが、宇宙に放つ輝きとなる。この作品のいのちです。 (ハナイ・チエ 2025)
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 作品「命/宇宙」
— 大いなる宇宙につながり、いのち輝く —
 ■ コンセプト
本作は、タツタ電線株式会社の「ファインワイヤー」を主素材とし、
“見えない技術が世界をつなぎ、いのちを輝かせている” という事実を、
宇宙的なスケールへと拡張した作品です。
制作にあたり、東大阪の工場や地域を訪れ、
現場で働く方々との対話や、土地のあたたかな空気に触れました。
その「息づくエネルギー」は、作品の根をつくり、
本作の奥行きを生み出す大切な要素となっています。
工場で目にしたファインワイヤーは、想像を超えるほど繊細で、
一本では肉眼で捉えるのも難しいほど細いものでした。
それが日常の中で、携帯や車の電子部品として命を吹き込み続けている——
その事実に深い感動を覚え、
「この素材を、主役として輝かせたい」という想いが生まれました。
「一人ひとりの光が、地球も宇宙も照らす」
「伝えたい、送りたい、目指したい、未来へ」
■ 作品構成
 ● 球体構造 — 宇宙の大規模構造
直径30cmの球体にはファインワイヤーを内部に組み込み、
銀河・銀河団・超銀河団が網目状につながる
“宇宙大規模構造(コズミック・ウェブ)”を象徴的に表現しました。
無数の線が交わる姿は、
「個の光が宇宙へ響く」
という本作のテーマをそのまま体現しています。
 ● 2枚のアクリルアート(1140×500mm)
球体は、私が描いたアクリル板アートの上に置かれています。
絵具とファインワイヤーを層として重ね、
光と線のリズムが交差する“反射の世界”を構成しました。
表層には透明球やガラスパーツを散りばめ、
“一人ひとりの生命”として輝かせています。
 ● 光による空間設計
黒いアクリル板で三方(左右・奥)を囲み、
鑑賞者が“銀河の内部”に立つような空間をつくりました。
球体へはフラッシュライトをあて、
ワイヤーが星々の光のように瞬くように調整。
背面にはオーロラのように揺らぐ照明を配置し、
光が反射し、重なり、溶け合うことで、
“いのちと宇宙の響き合い”を体感できる設計としています。
■ 制作プロセス
初めて扱う素材だったため、構図検討・技術検証・環境調整など
多くの試行錯誤を重ねました。
しかしその工程はすべて、
本質へ近づくための大切なプロセスだったと感じています。
東大阪で出会った人々の温度、地域のリズム、
タツタ電線で働く方々のまなざし。
そのひとつひとつが、作品の中で静かに息づいています。
 ■ 作品が見つめる未来
目に見えないほど細いワイヤーが世界を動かしている。
私たちひとりひとりの小さな光が、未来を照らしていく。
そのふたつは、同じリズムの上にあるのではないか。
本作は、そんな問いかけとともに誕生しました。
この空間に宿る輝きが、
鑑賞する方の内側でまた新たな光へとつながり、
未来へと広がっていくことを願っています。
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すべてを包み込むように、
「宇廻 - umi - 宙 no 波が奏でる Rhythm -」がみまもっています。
どこまでも広がる波は、海の波であり、宇宙の波でもある。
“くるん、くるん”と巡る律動は、いのちが生まれる瞬間と同じリズムを帯びている。
音、光、波、そしていのち。
それらは巡りながら響きあい、新たな光となって生まれていく。
「命/宇宙」と響き合いながら、
“いのちがめぐり、宇宙がめぐる世界”
その奥行きを支える作品です。

あなたの日々の中で、携帯や車の中に息づいているその線が、 今、アートとしてここに光を放っています。





私のテーマ

タツタ電線株式会社の理念

ふたつの軸が共鳴し、この作品は立ち上がっています。






CHIE HANAI Gallery  - ハナイ・チエ ギャラリー -
神奈川県小田原市

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